概要
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する方法。墓地、埋葬等に関する法律に基づく許可を受けた墓地内で行われる。鎌倉新書「第16回お墓の消費者全国実態調査(2025年)」によると、選択率は48.5%で最も多く選ばれている埋葬方法。承継者が不要な点が選ばれる大きな理由となっている。
選択肢・バリエーション
- 合祀型: 他の方の遺骨と一緒に埋葬される。最も安価だが、後から遺骨を取り出すことはできない
- 集合型: 1本のシンボルツリーの周囲に個別区画を設け、それぞれに遺骨を埋葬する
- 個別型: 1区画に1本の樹木を植え、個別に遺骨を埋葬する。最も高額
- 庭園型: 庭園のように整備された区画に埋葬する。都市部の霊園に多い
費用の相場
鎌倉新書「第16回お墓の消費者全国実態調査(2025年)」によると、樹木葬の平均購入価格は約67.8万円。
費用の主な内訳
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 永代使用料 | 10万〜70万円 |
| 埋葬料・納骨手数料 | 3万〜5万円 |
| 銘板・プレート(設置する場合) | 3万〜10万円 |
| 年間管理料 | 不要の場合が多い |
※ 合祀型(10万〜30万円程度)と個別型(50万〜100万円程度)で費用差が大きい。
年間管理料について
鎌倉新書の調査(2024年)によると、樹木葬購入者の82.8%が「年間管理費はかからない」と回答しており、一般墓と比べて継続的な費用負担が少ない。
手続きの流れ
- 霊園・墓地の見学 — 樹木葬を扱う霊園を複数見学する
- 区画・プランの選択 — 合祀型/集合型/個別型、人数、ペット可否等を確認
- 契約・支払い — 永代使用料の支払い
- 納骨 — 埋葬許可証を持参。墓地管理者の立ち会いのもと行う
- 改葬の場合は改葬許可申請 — 既存の墓から移す場合は市区町村で改葬許可証を取得
必要書類
- 埋葬許可証(火葬後に交付)
- 改葬許可証(他の墓地から移す場合)
自治体の支援制度
樹木葬の購入に対する直接的な補助金制度は、一般的にはない。
- 公営霊園の樹木葬: 一部の自治体では公営霊園で樹木葬区画を提供しており、民営より安価な場合がある
- 改葬にかかる費用: 墓じまいをして樹木葬に移る場合、改葬許可は市区町村窓口で手数料(数百円程度)のみで申請可能
注意点・よくあるトラブル
- 合祀後の遺骨取り出し: 合祀型の場合、一度埋葬すると遺骨を個別に取り出すことができない。将来的に別の場所に移す可能性がある場合は個別型を選ぶ
- 樹木の管理: 自然の中にある樹木葬では、樹木が枯れたり景観が変わったりすることがある。管理体制を確認する
- 使用期間の制限: 「永代」とされていても、契約上の使用期間が決まっている場合がある(例: 13年、33年等)。期間終了後は合祀に移行されるケースもある
- 宗教・宗派の制限: 寺院が運営する樹木葬では、宗教・宗派に制限がある場合がある。契約前に確認する
海外では、韓国が国営の「国立樹木葬林」を整備しており、無料〜低廉な費用で樹木葬を利用できる。日本の樹木葬が民間霊園中心であるのに対し、政府が制度として推進している点が特徴的(→ 韓国の葬儀・埋葬の費用と制度)。
調べてみて気づいたこと
樹木葬の選択率48.5%(2025年)は、一般墓(17.0%)の約3倍。埋葬方法の中で最も選ばれている形態になっている。2020年の調査から数年で急上昇しており、この勢いが続けば過半数を超えるのは時間の問題だと感じる。
調べていて気になったのは、「樹木葬」という名称のばらつき。シンボルツリーの下に個別区画があるタイプ、草花に囲まれたガーデン型、合祀型など形態が多様で、「樹木葬」と一口に言っても内容が大きく異なる。平均費用67.8万円もこの多様性を反映しており、10万円台から100万円超まで幅がある。購入時には「樹木葬」の名称だけでなく、具体的な形態(個別型か合祀型か、使用期限の有無等)を確認する必要がある。
出典・公式情報リンク
出典: 鎌倉新書「第16回お墓の消費者全国実態調査(2025年)」(2026年3月閲覧)
出典: 鎌倉新書「第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)」(2026年3月閲覧)
出典: 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」(2026年3月閲覧)
調査カード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査日 | 2026年3月22日 |
| 調査範囲 | 樹木葬の費用相場・種類・手続き |
| 主な情報源 | 鎌倉新書全国実態調査、厚生労働省 |
| 未調査項目 | 地域別の費用差、公営霊園の樹木葬区画の一覧 |